3月18日に東証マザーズへの新規上場を予定していたRepertoire Genesisは9日、ウクライナ情勢の影響などによる金利上昇懸念、新興株式市場全般の動向などを考慮し、株式上場を取りやめる方針を決めた。公募による募集株式発⾏、株式売出しを中止する。これを受け、東京証券取引所は同日、同社の上場承認を取り消した。2022年に入り、新規上場を取りやめた企業は、ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング、ノーザ、トリプルアイズ、住信SBIネット銀行に続いて5社目となった。
Repertoire Genesisは、2014年10月に設立。独自の免疫多様性解析技術により、生体反応を多方面から正確に把握することでがんや自己免疫疾患、感染症などの幅広い疾患分野で免疫系を応用した新しい医療の基礎研究、予防、診断、治療などを支援する事業を展開している。
同社の免疫多様性解析技術は、膨大で複雑な免疫系情報を遺伝子レベルで解読し、免疫系が患者の病気にどのように関与しているか、特定の治療方法がどのように免疫系に影響を与えているかを検証することが可能だ。研究者として30年以上、免疫シス テムに取り組んできた創業者の鈴木隆二氏が完成させた技術で、創業以来、がんや感染症、自己免疫疾患などの多くの疾患分野での解析を行い、事業化を進めてきた。
現在、大学・公的研究機関などのアカデミアに対して、独自の免疫多様性解析サービスを解析量に応じた従量課金方式で提供するほか、製薬企業など技術や情報を連携し、プロジェクト規模に応じた複数年契約で、これまでにない新しい予防、診断、治療法の開発などを行っている。これまでに170以上のアカデミアや30以上の製薬企業との共同研究、パートナーシップを組んできた。今後も多くの研究機関と協力し、独自の免疫多様性解析技術を世界へ広めていく。直近の業績は2020年12月売上高4億1,600万円、経常利益1,900万円、純利益1,700万円だった。
Data Base Repertoire Genesis