船舶用電池や電気運搬船の開発を行うパワーエックスは23日、Spiral Capital、日本瓦斯をリードインベスターとし、今治造船や日本郵船、三井物産、三菱UFJ銀行、BEMAC、JAL Innovation Fund、東京センチュリー、みずほキャピタル、未来創造キャピタルなどからシリーズAとして総額41.5億円の投資契約を締結したことを明らかにした。調達した資金は大型電池製造工場「Power Base」の建設や蓄電池商品の研究開発、人材採用などに投下する計画。脱炭素社会の実現に向け、自然エネルギーの普及をはじめ、蓄電や送電技術の開発を加速させる。
パワーエックスは2021年3月設立。大手海運会社の今治造船や日本郵船などと事業提携し、船舶用電池や⽇本の海域にある洋上⾵⼒発電所から海岸に⾃然エネルギーを輸送するための電気運搬船「Power Ark」の開発を行っている。初号船となる「Power ARK 100」は船舶⽤蓄電池を 100 個積載。220MWh (⼀般家庭およそ 22,000 世帯1⽇分の電気)の蓄電能⼒を保持し、短距離から⻑距離の電気輸送に対応。完全に電気のみで航⾏する仕様とバイオ燃料などを併⽤して航⾏する仕様を持っている。電池のみで推進する場合、300km 程度の沖まで航⾏し、陸地から遠い沖合や離島、電⼒網のない様々 な場所に電気を届けることが可能。これにバイオディーゼルなどを併⽤することでより遠距離化を実現し、国境を超えた⼤陸間のクリーンエネルギー輸送も可能になる。現在、2025年までの開発を目指している。
代表はファッションECサイトのZOZO元COOの伊藤正裕氏。⽇本の⾃然エネルギー拡⼤促進を目指し、電気の蓄電と送電にイノベーションを起こすべく立ち上げた。社外取締役には電池ベンチャー⼤⼿ NorthvoltのCOO Paolo Cerruti⽒、元 Google 幹部Caesar Sengupta⽒、⽶ Goldman Sachs 元パートナー Mark Tercek⽒が就任している。
「 これから自動車のEVシフトや再エネ発電の更なる普及などにおいて蓄電池を利用したエネルギー・ソリューションの需要は拡大する一方であり、日本国内で商品を製造し国内に限らず世界へ出荷したいと考えております。現在開発中の商品及び工場の発表も近日に行ってまいります。より多くの方のお役に立ち、再エネの圧倒的普及に貢献できるようこれからも頑張ってまいります。」(パワーエックス CEO伊藤正裕氏)
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