6日、 109言語対応コミュニケーションツールを開発するKotoznaは11月に既存株主のJTBをはじめ、FFGベンチャービジネスパートナーズ、大分ベンチャーキャピタル、北海道ベンチャーキャピタル、佐銀ベンチャーキャピタルなどの投資家から総額約3.2億円を調達したことを明らかにした。調達した資金で、自社プロダクトの機能強化を図り、コロナ収束による市場拡大を見据え、海外展開を視野に入れた事業展開を加速させる考えだ。
Kotoznaは2016年10月設立。多言語コミュニケーションサービスを開発しており、現在、宿泊施設向け多言語コミュニケーションツール「Kotozna In-room」と、事業者向け多言語チャットツール「Kotozna laMondo」を提供している。宿泊施設向けのKotozna In-roomは、施設案内や周辺観光情報などを宿泊客の母国語で提供し、施設スタッフが母国語同士でチャットによる接客ができるサービスとして2020年10月に販売開始。独自開発した翻訳システム(特許取得済)により、日本語で情報を入力するだけで、すべての情報を109言語で表示させることができるようになるほか、双方向チャットの活用で、外国人顧客に対して母国語同士による接客を可能する。単体の機械翻訳に比べて、精度の高い翻訳が売りだ。宿泊顧客は客室に置かれたQRコードをスキャンするだけで、アプリのダウンロードなく、母国語に翻訳されたさまざまな施設に関する情報を自身のスマートフォンで見ることができるようになり、施設側は内線電話や問合せ対応業務、チェックイン時の案内業務の軽減にもつながる。2022年10月時点の導入施設数は全国250施設を超える。
2022年9月に提供を開始した多言語チャットツールのKotozna laMondoは専門的な知識は不要で、月額1万円から導入できる109言語対応の事業者向けチャットサービス。ECサイトや製品ページにコードを貼り付けるだけで、チャットツールを埋め込み完了。多言語でのチャットお問合せ窓口を設置できる。海外からのチャットメッセージは即座に日本語に翻訳されて表示。問合せ担当者はコミュニケーションのタイムラグをほとんど発生させずに対応できる。
代表の後藤玄利氏は、東京大学、シンガポール国立大学リークワンユースクール、アクセンチュアを経て、1994年にヘルシーネット(ケンコーコム)を創業、2004年に東証マザーズへ上場を果した。2016年に楽天が公開買付けにより同社を買収。同10月、「言葉のカベ」の解消を掲げ、ジャクール(現Kotozna)を設立し、再び起業した。
「必ずコロナが収束し、インバウンドが回復すると信じてJTB様と一緒に開発・販売を続けてまいりました。そして今年10月、ついに水際対策が緩和され、インバウンド産業にとっても夜明けを迎えようとしています。今後はさらに世界にも目を向け、『言葉のカベ』という社会課題を最先端のテクノロジーを活用して解消してまいります。」 (代表 後藤氏)
Data Base Kotozna