28日、建設業界向けDX支援事業を展開するArent<5254>が東証グロース市場へ新規株式を上場した。初値は1,802円。公開価格1,440円を 25.14%上回った。公開株数は1,345,500株、初値ベースの時価総額108億5,400万円、株式上場による資金吸収額 19.3億円。調達資金は新プロダクトや事業開発のほか、プロダクトの広報マーケティング、人材採用などに充てる。
Arentは2012年7月設立。連結子会社 1社(VestOne)と持分法適用関連会社 1社(PlantStream)よりグループ構成し、おもに建設業界、プラントエンジニアリング業界の大手企業に対してDX支援やコンサルティング、システム開発・販売を行っている。コンサルティングから本開発、事業化後の継続開発まで、長期にわたり協同するスタイルで、クライアントの実態に合ったシステムプロダクトを構築。本開発の継続月数は24ヶ月で、本開発から継続開発への移行率は57%。移行後は、年間5,000万円から数億円規模の継続的な開発受注があり、プロジェクト全体の継続期間は平均37.8ヶ月(2022年12月末時点実績)となっている。工程が進むにつれ開発が大規模化し、収益が拡大するビジネスモデルを構築している。
また、千代田化工建設とのジョイントベンチャーとして展開する持分法適用関連会社のPlantStreamは、おもにプラントエンジニアリング業界に対して、プラント設計における配管作業を自動的に行うソフトウエア「PlantStream」のライセンス販売を行い、利用期間に応じた継続的な収益を得ている。PlantStreamは、プラント設計における膨大な配管作業を、各配管の間隔等の諸条件をクリアしながら自動的に行うツール。1分間に1,000本もの配管を行い、 手作業が一般的であった従来の工数を削減する。直近の業績は、2022年6月期(連結)売上高 10億1,193.1万円、経常利益 1,475.9万円、純利益 △4,804.8万円だった。2023年6月期(連結)業績予想は、売上高 18億6,800万円、経常利益 2億8,600万円、純利益 2億400万円見通し。
代表の鴨林広軌氏は1983年生まれ。京都大学理学部卒業後、MU投資顧問で株式運用アナリストを経て、2012年にグリーに入社。2015年に独立し、Arentの経営に参画。千代田化工建設との取引開始を契機に代表取締役社長に就任。事業企画からシステム開発、新規事業立上げ、運営を一気通貫で支援する現在の同社ビジネスモデルを構築した。
Data Base Arent