近接覚センサーを活用したロボットハンドを開発するThinkerは9月29日、大阪大学ベンチャーキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルからの第三者割当増資に日本政策金融公庫による新型コロナ対策資本性劣後ローンを加えた総額2.3億円の資金調達を行ったことを明かにした。調達した資金で、ショールームの整備やデモ機の拡充、営業人材の採用などを積極化するほか、“まさぐりながら、つかみにいく”ことのできる新たなロボットハンドの開発を強化する。
Thinkerは電気通信大学大学院助教授の小山佳祐氏が開発した近接覚センサの社会実装を目的に2022年8月設立。近接覚センサー「近接覚センサーTK-01」を活用した産業用ロボットハンドの開発を行う。近接覚センサーTK-01は、赤外線とAIを組み合わせた独自センシングにより、カメラレスでモノの位置と形を非接触かつ高速に把握できるセンサー。大阪大学基礎工学研究科の小山佳祐助教が開発した近接覚センサーを商品化・量産化した。対象物との距離と傾きを同時計測し、独自の高速・高精度AI技術と組み合わせることで、物体に触れずに柔らかいものや透明なものを認識。従来産業ロボットが苦手としていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップを実現した。
「もし人間が新たな感覚器を得て、“独自に思考する手”を持ったとしたら、日々の営みに革新が起こるはずです。『真のロボットの生体化』の早期実現に向けて、邁進してまいります。」(CEO 藤本弘道氏)
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