27日、ファッションブランドのECサイトを運営するyutori<5892>が東証グロース市場へ新規株式を上場した。初値は 2,829円で、公開価格 2,520円を 12.26%上回った。公開株数は 655,500株、初値ベースの時価総額 44億2,900万円、株式上場による資金吸収額 16.5億円。調達資金は借入金の返済に充てる。
yutoriは2018年4月に設立。衣料品や雑貨などの企画、小売・卸売事業を展開しており、自社ECサイト「YZStore」や「ZOZOTOWN」での販売、オフライン店舗での販売、国内外のセレクトショップへの卸販売を行う。売上構成比は、自社ECサイト51.4%、ZOZOTOWN31.5%、店舗等10.3%、卸販売6.1%。InstagramやTikTokなどのSNSを利用したマーケティング活動に注力し、SNSを起点とした購買体験の設計により、最終的に自社ECサイトへ誘導、商品の購買へつなげるのが特徴。中でもInstagramにおける投稿に力を入れており、社内運用アカウントにおける動画の月間制作本数446本中、広告動画として投資した動画が238本。そのうちCTR3.5%以上の動画は84本。自社ECサイトへのアクセス数は、176.3万(2023年1月~3月)、180.2万(2023年4月~6月)、186.3万(2023年7月~9月)と順調に増加している。2023年9月では、自社ECサイトへの訪問者数50.2万人のうち、半数近くの26.7万人がSNS経由で訪問した。2023年11月15日時点のInstagramの社内運用アカウントのフォロワー数合計は152.6万人。ほか、TikTok161.8万人、LINE公式アカウント13.9万人、X3.3万人。
同社はZ世代を対象としたストリートファッションブランドを発端として創業し、その後、ストリートブランドに限らないアパレル商材の企画、販売により規模を拡大。新規ブランドの立ち上げのほか、M&Aにより「F-LAGSTUF-F(フラグスタフ)」や「Younger Song(ヤンガーソング)」、「Wudge Boy(ワッジボーイ)」などのブランドを取得し、ブランド展開戦略の多様化を図っている。2020年7月に、ZOZOと資本業務提携し、2023年11月現在、ZOZOが株式の4割を保有する。直近の業績は、2023年3月期(5期)売上高 24億7,000万円、経常利益 △5,400万円、純利益 △6,800万円だった。2024年3月期の業績予想は、売上高 35億6,500万円、営業利益 3億3,700万円、経常利益 3億1,200万円、純利益 2億1,500万円の見通し。
Data Base yutori